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三浦裕一 × SAXX スペシャルインタビュー
仮入部が本入部へ?
陸上競技をはじめる切っ掛け
三浦さん本日はご多用の中ありがとうございます。SAXXを語る上で三浦さんをはじめ多くのトレイルランナーの方がお悩みであろう「股ずれ」これについてSAXXは欠かせない”ギア”になっていると伺っております。今日は股ずれについての話題を軸にSAXXの魅力を伺っていければと思います。よろしくお願いいたします。
こちらこそ、よろしくお願いします。
まず三浦さんの経歴からお伺いさせてください。
小学校からお話したほうがいいですかね?
そうですね。小中高大そして現在とお伺いできればと・・・
はい、小学校ではサッカーと空手をやってました。
陸上競技に近い活動は行っていなかったんですか?
そうですね。学内のイベントや授業で嗜む程度でした。ただ短距離と高跳びは学内で1、2番くらいを争う得意種目でした。なので陸上競技全般に関して楽しいなというポジティブなイメージは持ってたました。サッカーも空手ももちろん楽しみながらやっていましたよ。
陸上を本格的にはじめたのは中学校からですか?
そうですね。中学の部活では陸上、サッカー、武道の中でどれにしようか迷ってたんですが、武道は空手部がなく柔道部しかなかったのでとりあえず仮入部で陸上部に参加したんです。ところが、陸上部の先生がすごく厳しい人で仮入部=本入部みたいな扱いになってしまって(笑)
漫画とかでよく見かけるストーリーですね(笑)
あー確かに、漫画に出てくるような厳しい先生だったかも・・・新入部員は特性を見るため一通りの種目を経験させるんです。個人的には短距離と高跳びをやりたいという希望を出してたんですが、長距離の全体練習を行ったときに僕以外練習についていけなくてじゃぁ、おまえは長距離だ!と言われてしまって(笑)長距離を始めるきっかけはそんな感じでした。
そこから入学して2か月後の6月くらいに1年生だけの1500mの市大会があってそこで6位入賞したんです。
なるほど・・・タイムはどうでしたか?
確か・・・5分02秒とかだったと思います。
速い!中学1年生ですよね?
いえいえもっと速い人がいましたから・・・ただ学校で6番とかが今までの上位くらいだったので市で6位はすごいぞって自分でも思ってたんです。それでその話を顧問の先生にしたら、6番で喜んでる場合じゃないだろうって怒られました。(笑)とりあえず「今度は優勝しろよー!」みたいな感じで言われてしまって、それで前述の市の大会の成績上位者は県大会に出場できるんですが、その県選抜大会で4位だったんです。
ん?ということは4位で喜んでいる場合ではないという叱咤激励が?
はい、おっしゃる通りで(笑)その時は走り方(ペース)について配分が下手だと言われて、最後のラストのために体力残しながら走るなと、今の自分の限界を知るためにも本番のレースで最初から全力で行け!と・・・
その選抜が4位で、関東大会につながる別の県大会があるんですが、そこで顧問の先生から「おまえ、この大会一度も先頭を明け渡すことなく走ってみろ!」と言われて
よし試しにチャレンジしてみよう!と思って、その大会で最初から最後まで先頭で走り切って優勝できたんです。それで関東大会に出場できました。
というのが中学1年のときの陸上の始まりで、一番輝いていたときです(笑)
いやいや、今も輝いていらっしゃいます。しかし小学校のときに長距離を経験せずにそこまでできるっていうのが・・・ちなみにご両親やご家族の方は陸上競技ご出身ですか?
いいえ、父はラグビー、母と兄は卓球をやってました。まったく陸上の家系ではないんです。
なるほど・・・ではでは、陸上に興味を持ち大学で箱根を目指すきっかけになったところなどをお伺いできれば
地元が鶴見で2区の鶴見中継所が近かかったため毎年、祖父に連れられて見に行ってたんです。「あの人達すごいなー」って若かりしころは見てました。やっぱり中学で部活として陸上はじめてからは箱根の意識は強くなってたと思います。
中学、高校と競技での距離も伸びていったと思いますが?
はい、中学2年で3000m、中学3年で1500mに戻して高校では5000mにチャレンジしつつ3000m障害も経験しました。そこからはほぼ3000m障害ばかりでした。
3000m障害なんかは今のトレイルにつながる布石だったんでしょうか?
そうですね。トレイルの選手で陸上部出身の方は3000m障害経験者は多いと思います。ただその当時はトレイルランニングという存在自体知らなかったんですが・・・
ちなみに中学校3年生で1500mのタイムってどのくらいだったんですか?
中学3年で1500mは4分14秒でした。
やっぱり速いですね!その頃からプロを意識されてましたか?
いえいえ、全然そんなことなかったです。中学から高校でこのくらいのタイムを狙って、大学では箱根を走って、社会人で実業団だ!みたいな階段を描いていたんですが・・・大学で周りとのタイムの差に愕然としたり、それこそ高校のインターハイでの県外選手のレベルの高さには驚きました。これは無理だなと(笑)
そうだったんですね。三浦さんでもそういう経験があるんですね・・・
頑張れば伸びる余地はあるけど、今同じ土俵で戦うのは無理だなと、そんなことを学生時代感じて陸上競技に打ち込んでました。
箱根を目指しての大学入学だったと思いますが、早い段階で怪我をされてリハビリ生活になったとのことですが?
大学1年の箱根が終わったくらいの頃に腰の怪我を負ってしまって・・・寮生活でしたのでこのままここにいてもよくならないと思い、部活を辞めて実家に戻りました。リハビリに専念することにしたんです。
決断が早いですね。
ダラダラと考えてもしょうがないので即断即決で動くようにしてます。その時は以前より動けなくなった分、体重も増加してしまってリハビリの観点からも体重増加はよくないので、トレーニングとダイエットも兼ねウォーキングからはじめて、歩けるようになったらジョギングをしてっていうのを続けていたら・・・
昔みたいに結構走れる状態になってきたんです。それで個人で練習を続けてて、大学3年生のときに湘南国際マラソンに出場(初フルマラソン)して優勝できたんです。
その後も様々な大会に参加して月に2、3レースとか出走して腕試しをしてたんですが、その時に陣馬山トレイルの大会にもエントリーして、そもそもトレイルってどんな大会かもよくわかってなくて、現地に着いて、え?これ山じゃんってなって(笑)
え?(笑)シューズとかどうしたんですか?
シューズはマラソンのシューズで・・・
なんと(笑)結局その大会はどうだったんですか?
全然走れたんですが、下りで離されることが多くて、上りとロードではいいペースで走れたんですけど、結局2位でした。でも、これちゃんとやれば、いい線いけるなと実感しました。それで年1でこの大会は出場しようと決めたんです。
2回目の陣馬山は最初から飛ばしてゴールしてやると意気込んだんですが、道を間違えて(笑)ロストして復帰したんですが4位止まりでした。その翌年は慎重に大胆にせめて1位でゴールできました。よし!これでトレイルは引退だって、そこでは決断したんですが
それが社会人1年目のときですね?
そうです。その後転職した先の職場にトライアスリートで結構有名な方がいらして、その方に「陣馬山のレースでこんな成績とったんです」みたいな自慢話をしたんですが(笑)そしたらアウトドアメーカーの方をご紹介頂いて、それでトレイルランニングを復活するようになったんです。2014年くらいの話ですがそこからトレイル一筋です。
トレイルランニングはリハビリの一環だった
そしてSAXXとの出会い
ここからはSAXXのアンダーウェアについてお伺いさせていただきます。元々のSAXXとの出会いはどういった経緯だったんでしょうか?
そうですね、股ずれの解消におすすめのアンダーウェアがあるよということで知り合いの方からご紹介頂いたのがはじまりでした。
トレイルランナーとして三浦さんご自身もかなり股ずれには悩まれていたと伺っていますが、SAXXと出会う前後で何か変わりましたか?
ワセリン塗ったり、テーピング貼ったりとか対策はしていましたが結局根本的な解決にはならなくて・・・
特に三浦さんは太ももがっしりされてますからね。ワセリンなどはレース終盤などでは擦れてなくなってしまいますよね。
ゴール後の股間周辺の太もものあたりがカサブタになってたり出血してたりはしてしまうんですよね。僕の走り方が悪いのもあるかもしれませんが、エイドステーションで水を掛けたり、少し蟹股で走ってみたりとかもするんですよね。
それでSAXXを知り合いの方を通じて紹介頂いたんですが山で実際に使ってみて40キロくらい走ったんですが、まったく股ずれしなくてびっくりしました。なんだこれはと・・・
現在着用頂いているシリーズはHYPERDRIVEがメインですよね?
そうですね。トレイルの選手で股ずれで悩んでいる方は多いと思うのでSAXXはおすすめですね。
股ずれ対策がSAXXでほぼ解消されたとのこと大変うれしいのですがレースへのポジティブな影響などがあれば教えてください。
余計なところに気を使わなくてよくなったので股ずれに対する心理的ストレスは軽減されました。レース自体に集中できるという状態になっています。股ずれで痛みを感じることで次のエイドでどういう対策しようとか考えなければいけないので、そういった事に悩まなくていいというのは非常にポジティブな要素だと思います。
三浦さんの走りを支える見えない秘密兵器となっているということですね。このインタビューで秘密ではなくなってしまいますが・・・
いえいえ、多くの股ずれに悩まれているランナーの方に広く知っていただき着用いただければと思います。
そうですね。
ちなみに基本的にHYPERDRIVEがお気に入りとのことですが、その他のシリーズについてはどのような印象ですか?
練習でロングパンツを着用のときはアンダーにSPORTMESH、VOLT、QUESTなどいろいろと着用しています。レースの時はコンプレッションの効いたHYPERDRIVEなんですが、普段や軽めのランの時はボールパークポーチの安定性は変わらないのでゆったりめのシルエットのものでも問題なく着用しています。デザインも色々楽しい柄が多いので、個人的には金魚とかオオカミのプリント、あとハチ公のものも好きですね。
こういうデザインの方が個人的にもテンションが上がりますし
そういう意味では今回新デザインのQUESTのピンク柄のカジキデザインなんかはおすすめしてます。
お、いいですねーかわいいですね。こっちのパイナップルの柄もいいですね。
というこで色々とお話をお伺いさせていただいたのですが、今後の目標をお伺いできれば?
UTMBではリザルトを残したいと思っています。今年はCCCにエントリーしているんですがこういったご時世なのでどうなるかわからないんですが・・・来年以降UTMBで結果を残したいですね。
※CCC (Courmayour-Chanpex-Chamonix) 101.1km 累積標高差6,092m 制限時間26時間30分
直近だと5月の球磨川の100マイルトレイル(約160km)で結果を出したいです。
※球磨川豪雨災害復興プロジェクト
九州初開催となる100mileトレイルランニングレース
そのほかには7月にスカイランニングの選手権がスペインで開催されるのでそれも参加を検討中です。
ありがとうございました!
あとがき
今回、現役のプロスポーツ選手である三浦氏にお話をお伺いさせていただいた。
細身でシュッとした印象の三浦氏なのだが、歴戦を支えてきた下半身、特に太もも・脹脛の強さ、大きさは印象的だ。過酷な環境下で走りを極めるトレイルランニング、ひとつひとつのギアの選択は怪我のリスクや競技生活に大きく関わるため入念に慎重に行わなければならない。最前線でご活躍の三浦氏からお墨付きを頂けていることは大変光栄であり、同様のお悩みを抱えるランナーの方へ広く知っていただく機会になればと思います。
今回このような機会を頂けた三浦裕一氏には改めて感謝致します。とともに今後のご活躍にも期待せずにはいられません。それではまたの機会に・・・
(トレイルランニング・スカイランニング)
神奈川県横浜市出身。
所属:Columbia Montrail、三ツ池トレイルランニングクラブ代表、OSJ TEAM MIURA講師
中学から陸上競技部に所属し、3000mSCでインターハイ出場。
大学1年時に怪我で駅伝部を退部し、怪我が治った大学3年で初出場したフルマラソン(湘南国際マラソン)で初出場初優勝した。
2014年から本格的に競技を開始し、2016年にスカイランニングアジア大会の日本代表に初選出。
その後、2018年にはスカイランニング世界選手権Ultra部門では日本人最高位となる総合10位になり、同年の日本一を決める日本山岳耐久レースでも優勝を果たす。
現在は2020年スカイランニング世界選手権優勝を目指しトレーニングをしている事と並行して地元横浜で三ツ池トレイルランニングクラブを主催し、競技普及活動やボランティア活動も行っている。
2017年
上州武尊山スカイビュートレイル129キロ(総合優勝)
スカイランニングアジア選手権コンバインド部門(優勝)
2018年
スカイランニング世界選手権スコットランド大会日本代表(同大会10位入賞、日本人トップ)
スカイランニングアジア選手権Ultra部門(2016~2018金メダル三連覇)
日本山岳耐久レース71.5キロ(総合優勝)
北丹沢12時間山岳耐久レース44キロ(総合優勝)
2019年
IAUトレイルランニング世界選手権ポルトガル大会日本代表
大雪山トレイルジャーニー70キロ(総合優勝)
スカイランニング日本選手権志賀高原エクストリームトレイル Ultra部門優勝